コーヒーの種類と水には相性があった《9パターンでカッピング》

メルボルンバリスタによるカッピング後にそれぞれの意見を出し合っています

こんにちはミネです

メルボルンは一日の中に四季があると言われています。

春も近づき昼間は暖かくなって来ましたが、夜はまだまだ湯たんぽが必要です。 話はグイッと変わり、メルボルンといえば「コーヒー!」とおっしゃる方も多いかと思います。 が、しかし!実はビールも(かなり)盛り上がっているんです。

Melbourne があるVICTORIA州だけでも120社以上のクラフトビールカンパニーが存在し、ビールがもたらす経済効果は実に$740 million(600億円)とも言われています。 そんなハイレベルなビールに馴染んで来た頃、ふと思った事。 『コーヒーの焙煎経験をビール作りにも活かせないだろうか?』 そう思ったのが約1年前。その日からこっそり自宅でビールを作っているんですが(オーストラリアでは自宅で飲む分には合法)これがまた面白い。発酵温度や期間、ホップとモルトの比率や種類で味わいは無限通り(詳しくは次回にでも)。レシピを決め、スケジュールを立てて、醸造開始で味見が出来るのは2ヶ月先。

2ヶ月後、待ちに待った味見。

これがまた美味しくない笑。そして次こそは、の繰り返し。 まぁ、コーヒーとビールは全くの別物って事ですね。 それでもコーヒーもビールも共通して言えることは、やはり『水』が非常に大切だという事。 両方とも原材料の90%以上は水ですからね。 ビールは細菌との戦いなので、不純物が多いであろう水道水は醸造には適してないと感じています。不純物がイースト菌の働きを邪魔してるのかな?

水道水/ピュアウォーター/カスタムウォーターの3種類で検証

メルボルンバリスタによるカッピング

ビールもコーヒーも水が大切。 という事で、早速検証してみました。

3種類の違うタイプのコーヒーを3種類の水でカッピング(テースティング)。 味の違いと、成分抽出率(以下 TDS) を測ってみました。

水3種類

  1.  Tap water(水道水)
  2.  Pure water(真水)
  3.  Custom water (真水にMg, Ca, Bi-carbを添加/ 135ppm, 7.4ph, 要はアルカリイオン水)

コーヒー3種類

  1. XADE BURQA -ETHIOPIA- filter roast (浅煎り)
  2. KAHETE -KENYA- filter roast (浅煎り)
  3. EL RETIRO -EL SALVADOR- espresso roast (中煎り)

3種類の水の特徴

コーヒーテイスティング用水3種類

1. Tap water(水道水)

同じメルボルンでも場所によって味が違います。店の水は比較的癖も匂いも少なく飲みやすいが、少しトガった印象。でも普通に美味しい。

2. Pure water(真水)

ツルツルしててキラキラしてる。『透明』を味にしたらまさにこんな味。

3. Custom water (真水にMg, Ca, Bi-carbを添加/ 135ppm, 7.4ph, 要はアルカリイオン水)

質感にビックリ!まったりした口当たりのせいか、少し甘みを感じる。本当は甘くないんだろうけど。とても好印象◎

3種類のコーヒーの特徴

テイスティング用意したコーヒー3種類

1. XADE BURQA -ETHIOPIA- filter roast (浅煎り)

レモングラスやジャスミンなどのフローラルな香りに、グレープフルーツの水々しさが特徴。

2. KAHETE -KENYA- filter roast (浅煎り)

クランベリーやカシスなどのベリーの甘みと香りに、桜のエッセンスがエキゾチックジャパン!

3. EL RETIRO -EL SALVADOR- espresso roast (中煎り)

「ミルクビスケット~焦がしキャラメル、オレンジピール添え」な大人味。

3×3 = 9杯のカッピング結果

3種の水でいれたコーヒー

3種の水×3種のコーヒー = 計9カップと真剣に向き合った結果、なかなか興味深い結果になりましたよ!ちなみに成分抽出率(TDS)はKENYA で測りました。

それぞれの水による《TDS》ポイントの違いに注目してください。

(成分抽出率TDS補足)

TDSとはTotal Dissolved Solidsの略、
約98%が水とされるのコーヒーのうち、豆の成分(約2%)がどれくらい抽出されているかを計ることで濃度を視覚化できます。

コーヒー成分を計測するTDSテスター

Tap waterとコーヒーの相性

水道水

➕(Good)
フレーバーと酸味がハッキリと綺麗に出ていて、熱いうちは特にフィルターロースト(浅煎り) のKENYA&ETHIOPIA が好印象!フレッシュなフルーツのニュアンス。

(Bad)
ただ冷めた後は少しシャープでバランスが良くない。

【TDS: 1.35】

Pure waterとコーヒーの相性

ピュアウォーター

(Good)
マイルドな味わい。口当たりも良く、どのカップもバランスが◎

(Bad)
フレーバーが弱く、少し水っぽく(薄く)感じる

【TDS: 1.12】

Custom waterとコーヒーの相性

真水にMg, Ca, Bi-carbを添加/ 135ppm, 7.4ph, 要はアルカリイオン水

(Good)
酸味に丸みと厚みがあり、どちらかと言えば熟したフルーツのニュアンス。冷めるにつれ甘みも増しバランスも良く、エスプレッソロースト(中煎り)のEL SALVADORとの相性が◎

(Bad)
初めの温かい時のインパクトに欠ける。良くも悪くも落ち着いていて、とても紳士。

【TDS: 1.26】

予想外のTDS、No.1は水道水。

水をテイスティングするミネ

予想に反してTap Water が一番コーヒーの成分を抽出しましたね!これはあくまで予想ですが、水道水に多く含まれているであろう不純物がフックの役目を果たしていて、その沢山のフックで成分を引っ掛けて来ると考えられます。

それに比べてTDSが一番低かったPure Water はツルツルすぎるが故に引っかかる隙間がなく、あまり成分も抽出されなかったのかも。そう考えると、もともとPure Water から作った Custom WaterでここまでTDSが伸びたのには驚きです。

phの数値で水の質感も変わるので、まだまだ改良の余地がありそうですね。

(ミネによるTDS補足)
TDS数値が高い程、成分がより多く抽出されている事になります。あくまでも成分抽出率なので、数値が高いからと言って美味しいとは限りません。

浅煎りの豆→Tap water/中煎りの豆→Custom water

カッピング結果を受けたバリスタの意見メモ

フィルターコーヒーの良さは綺麗なフレーバーだと思っています。そして一番フレーバーが出たのがTap water。60℃前後の温度帯は一番甘みを感じやすく、とても好印象でした。

ただし、常温まで冷め切ると酸味が強調され少し尖った印象になったのですが、そんな全てパーフェクトを求める必要はありません!美味しいうちに飲みきれば良いだけです!50℃までにフィニッシュでお願いします。

それとは逆に冷めるにつれ甘みが増し、最後までバランスがとれていたのが Custom water。 水の時に感じたまろやかや質感はコーヒーでも健在で、コスタリカやブラジルなどの質感甘み系との相性が良いと思います。最後までしっかり美味しいコーヒー(になる可能性あり)です。Pure water は最後まであまりハッキリとした特徴が掴めなかったですね。

先行逃げ切りTap water も 直線追い込みCustom water もどちらも良いという結論です。

3ウォーターカッピングを終えての感想

メルボルンバリスタカッピングTDS集計

  • ジューシー&クリーンなフレーバーで攻めるなら → Tap water
  • 冷めるにつれ後から力を発揮する、質感&甘みの晩成追い込み系 → Custom water

読んでるだけで疲れそうな記事になってしまいましたが、改めて実際やってみる事の大切さを身にしみて感じました。

たかが水、されど水。 しみず、はなみず、お茶ノ水!

まぁ強いて言うなら今回の水は全て中性もしくは弱アルカリ性だったので、今度は酸性の水で試してみたいですね。 炭酸水は弱酸性と言われてるので、今度炭酸水を沸騰させてみます。 そんなギークな検証結果報告でした!

長々と失礼いたしましたー これからもどーぞよろしくお願いしますー! (ちょっと疲れ気味の)ミネでした

(P.S. 出だしのビールのくだり、絶対いらんかったな、、、)